恒例の書店座り読み巡りをしてると、株本コーナーにセミリタイア村人の新刊が陳列されていました。
ゆるキャンならぬ、ゆるFIREというタイムリーなタイトルで「投資なんて難しいよー」っていうキャピキャピ素人さんをターゲットとしてる著者の意気込みが伝わります。
年収300万円でもFIRE出来るという触書は最近の流行りなのでしょうかFIRE本で、やたらと見かけますが、きっと一番多い読者層なんでしょう。
著者も元年収300万円未満の普通のOLだったのに、30代前半で3000万円の資産を築いてFIRE出来たそうです。
最初の方に資産形成のグラフがありましたが、28歳頃で1000万円未満の資産から30代前半には3000万円になってました。
海外旅行や美容に散財したり、ゴミ屋敷のズボラ人間だった著者が、たった5年位でそこまでの資産形成を成し遂げるとは、余程のノウハウがあるに違い無いと期待が膨らみます。
文字数が少なくて、字が大きく、ページの左半分は殆どイラストだった為、大変読みやすく30分位で読了出来ました。
つまるところ、ミニマルライフで節約生活をして収入の50%をインデックス型投資信託で積み立てれば、誰でも簡単にFIRE資金が貯まるとの事です。
資産運用については世界型インデックスの積み立てでNISAやIDECOがオススメとありました。
FIRE後のマネープランは生活費の半分を金融資産の2.5%を取り崩し、残り半分は副業で賄うサイドFIREがゆるくてオススメとの事でした。
(正直、副業で生活費の半分も稼ぐというのも全然ゆるく無いとは思いますが・・・)
あっという間に読み終わりましたが、結局、筆者がどうやって30代前半で3000万円もの資産形成が出来たかという具体的なエビデンスはゼロでした。
一番知りたかったのはソコだったのに・・・
筆者は、30代前半で結婚した事により退職してサイドFIREに突入して、生活費は完全折半にて年間150万円を支出してるとの事です。
え?ちょっと待って下さいよー。
それって、結局、結婚して主婦になっただけなのでは?
だって、会社を辞めるのだって、結婚すると言えば、親も親戚も会社の人間も周りのご近所だって皆、大納得の祝福ムードですよ。
今時、仕事を辞めても生活出来るなんて立派な旦那さんで羨ましいわ〜と周りの女子達の羨望の眼差しを一身に集められます。
これが、普通のサラリーマンなら皆、大苦労してます。
会社で、株で儲けたから辞めるなんて言えばやっかまれて蔭口叩かれますし、親や親族にはセミリタイアなんて概念なんか全く理解されず大反対されますし、ご近所にはリストラされた哀れなオジサンとして恰好のネタにされるだけですからね。
自分のような家族持ちなら、まず奥さんを説得するハードルを越えるのが超難関でした。
そんな大部分のセミリタイアーが通過してきた、産みの苦しみを全く経験して無いのですから、そりゃお気楽にゆるーくFIREなんて言える筈です。
だって、生活に何の責任も負わなくて良いのですから。
因みに、もしも自分がFIREしたから、毎月12万5千円しか渡せないよなんて奥さんに言った日には即離婚ですよw
下手したら、今はやりの経済的DVとか言われて、慰謝料請求されちゃうんではないですかねぇw
つまり、正社員の夫という圧倒的なバックボーンありき故に、多くのリタイアーが直面する生活費のリスクについて背負わずに出来ている訳です。
これってFIREと言えるのでしょうか?
日本の硬直した雇用システム場合、一旦リタイアしたら、何の生活の保障も無いもう後戻りの出来ない片道キップ故に、逃げ切り計算機の数字をあーでも無いこーでも無いとこねくり回して、リタイアの可否を必死に検討してるのが、通常のリタイアーの現実なのに。
あと、現在は年間240万円積み立て投資をしてるそうです。
という事は年間生活費の150万円と合わせて390万円支出しているという事になりますから、税引き前で500万円以上は現在稼いでおられるという事なのでしょう。
いや、全然ゆるく無いっすね。
アフィブログにユーチューブに出版印税とエネルギッシュ過ぎますよー。
因みに、裏表紙には18年末に資産3000万円でFIREしてから、21年10月には資産6000万円突破と書いてありました。
僅か3年も経たずに3000万円増の資産倍増ですか!
証券会社の投資パンフレットにあるような積み立てNISAやインデックス投資信託の説明や、ミニマルライフで節約すればいいよなんてセミリタブログなら誰でも書いてるような当たり前過ぎる内容よりも、むしろこっちのノウハウの方が知りたかったんですがねぇ・・・
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