2020年09月04日

含み損は株式投資の必要経費です。

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貴方が未来人で無い限り、買って含み損になる確率は50%はあります。

株式投資に損失はつきものです。

今では、情報はネットでほぼ無料で手に入り、株式手数料もゼロでも買えますから、株式投資に関わる経費は売値と買値のスプレッドぐらいになりました。それすらも、長期投資なら影響を軽微に出来る事でしょう。

しかし、含み損だけは誰もが避けて通れないモノなので、株式投資の唯一の必要経費と言えば、含み損という事になります。

自営してたり、会社経営をしてれば、あらゆる経費が待ったなしで襲ってきます。

家賃、銀行金利、従業員の給料、福利厚生費、仕入れ代、広告費、etc・・・

売り上げが悪ければ、経費の方が上回って、赤字になるなんて日常茶飯事です。

一方、サラリーマンの多くは、必要経費という概念が希薄でしょう。

まぁ、スーツ代や飲み代が必要経費と言えなくも無いですが、所詮その程度でしょう。

従業員の方は、給料以上に損失を被る心配は全くありません。

故に、雇われる事しか経験していない安定志向の強い多くの日本人は、損失リスクに対して、極度に過敏症な傾向にあり、株式投資でちょっとでも含み損になると、深い悲しみとパニックに襲われ、大きく心が動揺します。

その心理は、損失の最初の頃は、絶対に損してまでは売りたくないと現実逃避をして、何か好材料は無いかと自分を慰める情報を必死にあさります。(例えば、カリスマ投資家がハイレバ投資こそが正義とか宣ったりするのが丁度この頃です。)
しかし、そんな願望もむなしく、株価はまた下がると値下がりストレスの蓄積によって逆に感情が麻痺してしまい、ただ茫然とスルーするようになります。
一旦下げトレンドになった株はトコトン下がり続け、周りは悪材料満載になると、まるで株が紙くずにでもなるようなパニックに襲われ、とうとう耐え切れなくなり、どん底で手放してしまうのです。
そして、大損してすべての株を売り放った丁度ソコが大底でそこから、まるで羽が生えたように株価は復活して、自分の買値を大幅に上回っていくという悲喜劇は、チョー個人投資家あるあるですね。

あれー、つい最近にもこれと似たケースがありましたね。
今年3月のコロナショックのどん底で手放し、オールキャッシュにした途端、株価がどんどん回復していまい、絶望の淵に沈んでおられるセミリタユーチューバーさんとか、他にも結構おられるようです。

あるいは、自分と丁度同じころにリタイアされた、ひところ人気だったセミリタブロガーさんは、それよりもっと早く2016年頃の急落の時に、当時の大底で損切りされ、いろいろあって結局、株式投資をやめられたみたいです。

この手の話はライブドアショックやリーマンショックなど暴落が来る度にある、毎度毎度のワンパターンエピソードです。

そうして失敗した、多くの個人投資家が、投資はコワイ、二度と株なんかしないと株式投資から永久に遠ざかってしまいます。

もしくは、極端に憶病になり、少額の資金で細々とETF買いだけをするかのどちらかです。

このような方達は、暴落で出した損が問題ではないのです。

大底で損切りしてしまったという事で自信を無くし、それによる相場に対するトラウマが資本家になる道を自ら閉ざし、その損を軽く上回る程の得べかりし利益を放棄する事が一番の損失なのです。

では、どうすればこのような悲劇、つまり大底で損切りして再起不能のトラウマを抱えてしまう事を防げるのでしょうか?

株が暴落する前に売れば良いのでしょうか?

それは無理です。

未来予知が不可能な人間にそんな事出来る訳もありませんので、考えるだけ無意味です。

よく暴落してから、直前に利確してたぜとか空売りしてたぜとかドヤ顔で自慢する輩がいますが、そんな輩はただの勘違い野郎なので生暖かくスルーしてあげましょう。

自信過剰に陥った自称相場の神様は、スグに、急落途中の中途半端な所で捕まるか、底打ち後の反騰相場に一生乗れないかのどちらかで、市場から消えゆく運命にありますので。

では、どうすれば良いか?

損小利大が確立出来てる投資家なら、予め定めたラインでロスカットするのが、最も合理的ですが、言うは易く行うは難しで、現実の相場では損切り貧乏になったあげく、最後の最後で丁度スルーした所で本当の暴落が来るという最悪のケースになりがちです。

そこで、現実的な策としては、「長期投資における含み損は、株式投資の必要経費である。」という、ある種の諦観を持つ事しかありません。

諦観つまり諦めですが、株式の値動きには激しい上下動が当然にある以上、そこに驚きや恐怖を感じる必要は無く、淡々と眺めていれば良いのです。

むしろ、安値で追加投資出来るチャンスと前向きに捉えらて、実際に安値で投資出来れば、次の反騰相場で大幅な利益になるのです。

自由な価格変動こそが、市場経済の肝である以上、資本主義経済の鏡である株価が日々上がったり、下がったりするのは当然です。

200年無敗の米国インデックスといえども、長期的には上昇していても、過去何度も何度も大きく上下動して大波小波を経験しています。

故に、株価が買値から一度も下がらず、上がり続けるなんて子供じみた夢想をする事は非常に馬鹿げている事を理解すべきなのです。

自分がその株を買えたという事は、その値段から下がると考える人がいたからこそなのですから、どのような場合でも、その時点では、上がる確率は50%を超える事はあり得ません。絶対に。

にも関わらず、自分だけが100戦100勝すると考えるのは、全く根拠がありませんね。

しかし、株式市場は優秀な自分だけは100パー負けないと、自信過剰な人達がニューマネーで参入してくる場所でもあります。
いったい、その自信がどこから来るのか、第三者目線で見れば、全く理解不能ですが・・・

と、すれば、株を買った後に含み損になるのは、株式投資において不可避な事象であり、全く当たり前の自然な事なので、無意味に恐れる必要は無く、雑音は一切無視すべきなのです。

とは申せ、実際に大きな含み損を抱えて、夜も眠れないという迷える子羊がいるのも現実でしょうから、次回、具体的な含み損対策を解説します。

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posted by 山中 一人 at 20:45 | Comment(0) | 株式投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする