曰く、膨大な国の借金を返すために消費税まで上げられてるのに、国民の血税で暮らす公務員の給料だけはしっかり上がってボーナスまでアップしてやがる。俺たちなんてボーナスすら出ねぇのにクソーッ・・・
って、フレーズですね。
ネットでも上記のような趣旨の記事は定期的に目にしますし、2chでの公務員叩きはもうお約束事になってます。
確かに、庶民のルサンチマンを刺激する記事は受けが良いのでしょう。
でも、落ち着いて冷静に考えるべき事があります。
日本人はとかく政治家・高級官僚・資産家・不動産成金・株成金・新興成金等の金持ちイジメが大好きな国民です。
横並びが大好きな国民性は自分より恵まれてる人種を強烈に妬み、何かと理由をつけては引き摺り下ろす事に懸命になっています。
しかし、金持ちの足を引っ張れば引っ張る程、自分も貧しくなり、最終的には弱者が一番割を食ってきた歴史的事実を思い起こす必要があります。
政治家が株で金儲けする事を批判する余り経済の基本すら知らない人を総理に据えたり、
官僚の官官接待を批判しては夜の街の景気がすっかり落ち込んだり、
不動産や株で儲けた人に嫉妬してバブル潰しや懲罰的な税金を掛けては資産価格暴落による金融恐慌を巻き起こし、
新興企業家の派手な生活に嫉妬して無理やり塀の中に入れては、結果としてもっと巨悪な既得権益層の保持に繋がるだけだったり
と例を挙げればキリが有りません。
更に、世界の歴史に目を向ければ、ユダヤ人叩きのヒトラーの圧倒的な支持や、資本家叩きのレーニン・スターリン・毛沢東・ポルポトの権力掌握とその後の国民の悲惨な末路はわざわざここで書くまでもない周知の事実です。
大衆は金持ちを引き摺り下ろした瞬間は溜飲が下がり錯覚の幸福感を得ます。
しかし、経済は回りまわって必ず自分に跳ね返って来ます。
思考実験で例えるならば、隣人に1億円損させる代わりに自分も100万円損をするみたいな話です。
隣人を1億円損させて他人の不幸は蜜の味感を味わう為に100万円も出して、貴方は本当に幸せなのですか?と問いたいのです。
自分は断言出来ます。
公務員の給料を下げたら、必ず貴方の生活はもっと苦しくなりますよ。と
公務員なら銀行も簡単にお金を貸してくれるからこそ、不動産会社も住宅メーカーも自動車業界も成り立ちます。
貴方の会社の商品を安定的に買ってくれるお客さんに公務員は一人もいませんか?
貴店のサービスを利用してくれるお客さんに公務員は一人もいませんか?
安居酒屋で愚痴ったり、ネットでコソコソ言わずに堂々と公務員叩きをして貴方の会社はやって行けますか?
少子高齢化が深刻化して、デフレ脱却さえ未だままならない日本経済で、公務員の給料まで下げたらそれこそ恐慌になりますよ。
公務員の給料を下げたら、安倍総理の言うGDP600兆円目標なんか絶対無理ですよ。
GDPが下がれば、当然株も土地も下がりますよ。
不動産や車のような高額商品からレジャー・旅行等のサービス業、そして一般消費財に至るまで、全ての経済活動が大きく落ち込む事は目に見えてます。
どんなに不景気になっても公務員の給料だけは下がらないという安心感・そしてちょっぴりリッチな気分があるからこそ、気前よく消費してくれているという人間心理をないがしろにしてはイケマセン。
経済は全て密接に繋がっています。特定の職種を叩いていい事は何一つ有りません。
今回のエントリーは、あまり賛同は得られないかもしれない事を承知の上であえて書きました。
ただ、言いたいのです。
嫉妬の経済学からは何も生まれませんよ。という事を。
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