2015年12月31日

内向型人間が贈る株式基礎講座(最終回)

さて、弱者の弱者による弱者の為の株式基礎講座を標榜して始めた本講座も今回にて〆とさせて頂きます。

そこで最終回として今まで頂いたご質問等を参考にまとめて行きたいと思います。

「単純な往復運動をしている株の価格変動の波を取る」

つまるところ、自分の言いたい事はこれに尽きます。

今まで書いて来た事を、具体的な手法として要約すると

@資産バリュー低位株のうち20年以上の月足チャートで同じような価格帯を往復している株を選びます。

A安値圏の価格帯に来た株を買います。
(当然、前回底値とピッタリ同じ値段にはなりませんので、大体の安値圏でOKです。余りに狙いすぎると安値覚えで永久に買えなくなりますので、底値で買う必要は全然ありません。というかもとより底値で買える確率は限りなく低いです。)

B約半年〜2年位を目途に高値圏の価格帯に来れば売ります。
(高値圏に到達しなくても天井を打った様子なら売ります。また2年経っても上がらない場合は機械的に判断せず、その時点で状況判断します。)

C上記の投資スパンから、売買頻度としては1銘柄当たり年に1度位のゆったりとした売買になります。
(イメージとしては秋に買い、翌年春に売る感じですが、これは年によってマチマチなので、あまりに拘らないで下さい。つまりよく動く年なら3か月毎に売買しますし、そうでないなら1年間見送りもしくはホールドも有りな訳です。)

D投資資金のうち常に20%以上のキャッシュポジションをキープして下さい。

E1銘柄当たりの投資金額は投資資金の5%までにしたポートフォリオを組みます。

F売買判断は株価、チャート、IRのみで行って下さい。
(スクリーニングにランキングと四季報を活用する事は可とします。)

G利益剰余金の欄が▲の銘柄及び自己資本比率が20%未満の株や倒産の危険性の高い株は無条件で外して下さい。

以上になります。

ファンダメンタルや材料や世界金融情勢を無視した、こんな小学生でも出来るようなやり方で本当に勝てるのか?と思われるかもしれませんが、実は意外と理屈が通っている投資法です。

まず、低位株の底値圏を買う段階で既に値下がりリスクを軽減出来ています。
当然、悪材料満載故の安値圏ですので、一切の雑音を無視する訳です。
しかし、歴史のある資産バリュー株は、含み資産を売却したり、金融支援を得たりして復活する確率がかなり高いものです。
企業の経営者は常に業績改善のプレッシャーを受けていてそれに応えなければならない宿命にあるので、景気回復期には大抵そのおこぼれに預かり、そこそこの改善がなされます。
そしてもともと割安な株にポジティブサプライズが起こると当然上げ相場に移行します。

我々は、そんな不人気企業の自律的な株価変動の往復をゆっくりと取るのです。

因みに不人気低位株が決まった価格帯で往復するのは、その価格帯がチャートによる自己目的化によって、それぞれ下値抵抗線、上値抵抗線になって強力にサポートするからです。
さして目立つ材料が無い不人気地味株だからこそ需給がストレートに価格に反映されるからであり、それ故、あえて不人気地味株に的を絞った投資法が功を奏するのです。

我々弱者が企業のファンダメンタルについてどんなに分析しようが研究しようが、並み居る強豪達に到底敵う筈が有りません。
また情報量においても全く及びません。
そして参加者全てが利益相反の間柄つまり敵同士なのに敵の発信する情報で判断させられてる時点で弱者側の負けは確定しています。
更に言えば、そもそもどんなに優秀な人間でも明日の未来さえ当てる事が出来ない以上、投資のプロ中のプロですら平均にも負けている事は多くの統計で既に証明済みです。

我々は、多くの投資家が追い求めるような企業の成長性とか革新的な夢とか時流に乗った材料株で一発大化け株を当てるような投資という理知的な言葉を隠れ蓑にしながら、その実セルサイドにお膳立てされた運頼みの株式投資ごっことは一線を画し、
まるで昔の横スクロールの単調なシューティングゲームをプレイするようにターゲットが下に来た時と上に来た時に撃ち落とすタイミングの精度を上げるように、繰り返す事によって能力が向上するゲームにこそ参加すべきなのです。

最後に読者様の投資人生が輝かしいものである事を心より祈念致します。

もし本講座によって、読者様の何か一つでも投資のヒントになるなら、いちポチッと頂ければ幸甚で御座います。
  ↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村


金融・投資(全般) ブログランキングへ







お暇でしたら姉妹ブログも覗いてやって頂ければ幸甚です。
  ↓
友達0人ですが何か?
posted by 山中 一人 at 20:36 | Comment(12) | 株式投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年12月29日

内向型人間が贈る株式基礎講座(第8回)

「自分以外に頼れるものは何一つありません」

一般的に株式投資家のうち8割が損をしていると言われています。

しかし、恐らくこの8割の負け組のうち殆どは自分のせいで無く、他人にダマされて損をしていると言っても過言ではありません。

しかもこれの性質の悪いのは、当の本人達は貴重なお金を失ってるのにも拘わらず、ダマされている事に気付かずに、相場のせいで損をしたと思っている所にあります。

証券会社、投資情報誌、日○○聞、評論家、カリスマブロガー、投資本等々、個人投資家が判断する根拠となる情報の殆どは株をやらせる側、所謂セルサイド発信の情報です。

情報は須らく発信者の利益の為に流されますので、当然にセルサイドの情報によって判断してる時点で既にダマされてる事に気付くべきなのです。

ましてや、株の儲け方なんて即お金とイコールになる情報がネットや本で本当に手に入るなんて事があり得るでしょうか?

詐欺師は必ず、貴方を儲けさせますよと甘い言葉で近づいて来ます。
若しくは自分から選択した気分にさせてるようで、知らず知らずに詐欺師に誘導されているだけなのです。

例え、自分を絶対にダマす筈の無い身内からの話ですらあてにしてはいけません。

その身内自身がセルサイドの情報により判断してるからです。

つまり、投資の世界は、真に頼れるものは自分ただ一人しかいないという事を常に自覚する必要があります。

よって、投資の基礎練習のうちに1次情報のみで投資判断するクセをつける必要があります。

1次情報とは株価・チャート・会社の発信する決算等のIRのみです。

2次情報であるランキングや四季報はスクリーニングや参考としてだけ使用します。
チャートでも人の手が入って加工されたものは禁止です。

それ以外は全て、全くの雑音としてシャットアウトして下さい。

もし相場で損しておられる方なら、たったこれだけの事だけでパフォーマンスが格段に上がる事でしょう。

そもそも株は底値圏では悪材料満載、逆に天井圏ではこれ以上無い位のバラ色な好材料に満ち溢れているものです。

よって発信する側に例えダマす意図が無かろうと、材料によって投資判断をすれば安値売りの高値買いにならざるを得ないのは自明の理でもあります。

それを防ぐ意味でも株価のみで判断をする効果は大きいのです。
しかも決して少なくない本代・新聞代・セミナー代・情報料・情報商材代等のお金が浮くというオマケ付きです。

さて、ここまで読み進められて、一つ矛盾にお気付きになられませんか?

そうです。ならこのブログの記事も本当に信用出来るのか?と。

はい。その姿勢が非常に大事です。

投資法は、それこそ千差万別です。
そして正解というものも有りません。
なので、自分も他の投資法の方と討論するつもりはさらさらありません。
真逆の考え方の人がいるからこそ、株の売買が成り立つからです。

故に、読者様がお読みいただいた拙記事をじっくりと吟味して頂き、腑に落ちられた方だけがこの投資法を採用される事をおススメ致します。

利益も損失もその全てが100%自分に帰属する投資の世界では、出来うる限り自分の頭で考える必要があるのです。

基礎練習の期間にそれを習得されれば、特別な必勝法や値上がり情報や投資判断を求めて彷徨う多くの個人投資家を尻目に次元の違うゲームをしている自分にお気付きになられる事と思います。

もし次回もご期待頂けましたら、いちポチッとお願いします。
  ↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村


金融・投資(全般) ブログランキングへ







お暇でしたら姉妹ブログも覗いてやって頂ければ幸甚です。
  ↓
友達0人ですが何か?
posted by 山中 一人 at 22:16 | Comment(10) | 株式投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年12月26日

内向型人間が贈る株式基礎講座(第7回)

「致命傷を負ってはイケマセン」

本講座のはじめにで申し上げた通り、我々には給料からの追加補てん投資法という安易な選択肢は許されておりません。

そして投資資金のみが生計費を生み出す唯一の商売道具でもあります。

故に、致命傷を負って投資資金を失う事は即死に繋がります。

その為には、リスク管理が生き残る為には絶対に欠かせないスキルになります。

その為に先人達が辿り着いた方法の一つが分散投資です。

因みに自分の場合は1銘柄は投資資金の5%までというルールでやっております。

最悪、その会社が倒産したとしても投資資金の5%の損失に抑えられるので、即退場にならずに済みます。

更に、集中投資の弊害は少数の銘柄に過重に資金を注ぎ込む事により極端な思い入れをしてしまいがちになるので、相場に一番大事な冷静に売買するという事から遠ざかるきらいがある事です。

そもそも自分の狙いすませた銘柄だけが思惑通り上昇すると賭けるその姿勢こそが一発必中のギャンブル的発想であり、既にこの投資法の本筋から大きく外れていると言えます。

あくまでも資産全体として増加させる事を一番に考えて、一歩引いて適度なバランスを持って投資にあたる事が肝要です。

また、高値圏にある人気株を追わず、底値圏の不人気地味株のみでポートフォリオを組むのも、値下がりリスクを少しでも軽減する為の方策なのです。

多くのチャートを観察して頂ければ分かりますが、山高ければ谷深しの逆で、山の低い株は反動安も相対的に少ないものです。
株式相場において市場全体の暴落は不可避です。
ならば、いつ暴落が来てもいいように、なるべく被害を抑えられるように安全策を取るべきなのです。

そして今までも、チャートで見て低位地味株ですら底値圏の株が全く無くなった時が上げ相場の終了となっています。

もし次回もご期待頂けましたら、いちポチッとお願いします。
  ↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村


金融・投資(全般) ブログランキングへ







お暇でしたら姉妹ブログも覗いてやって頂ければ幸甚です。
  ↓
友達0人ですが何か?
posted by 山中 一人 at 23:56 | Comment(2) | 株式投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年12月19日

内向型人間が贈る株式基礎講座(第6回)

「デイトレ、ダメ、ゼッタイ」

デイトレードという言葉には多くの個人投資家を惹き寄せる魅惑的な響きがありますね。

デイトレならトレーディングで生活したいという夢を叶えてくれそうな気がするものです。

実際、小資金から始めて今は何億と動かしている派手なデイトレーダーがTVや雑誌上で武勇伝を語っていますしね。
彼らが、まるで証券会社のディーリングルームさながらにモニターをいくつも並べてトレーディングする様は何やらカッチョイイですよね。

でも勘違いしてはいけないのは、アレは形こそ株式を売買してますが、丁半バクチと何等変わらないただのギャンブルです。
たまたま勝ち残ったギャンブラーが極く極く少数居ただけの話ですね。

最近はネット証券で日計り商いなら手数料0円の所が出てきたせいで、デイトレは控除率の低いギャンブルだと勘違いされがちですが、問題は手数料よりもスプレッドなのです。
これは板を見れば一目瞭然なのですが、例えば500円の株で500円ヤリ499円カイの株の場合、500円で買った時点で既に1円分損しています。率にすれば0.2%も損しています。
1日たった1回しかトレードしないとしても100日トレードするだけで、もう20%もやられてしまいます。

しかも控除率の損失だけでもバカでかいのに、人間特有の習性であるプロスペクト理論で多くの投資家は損大利小の心理的パターンから逃れられないので、猶更損失が加速します。

極く短い時間に売買の決断を下さなくてはならないので必然、激しい動揺に苛まれます。
まさに前回の「クールに売買しよう」の真逆の熱すぎる興奮した状態での判断からまともな答えが出せる訳は有りません。
マウスを持つ手はプルプル震え、膝はガクガク、目は血走り、勢い良く買った後はひたすら買値を上回る事を神に祈る様は、競輪場のネットにしがみ付いて大声でガナリ立ててるギャンブル中毒のオヤジとどこが違うのでしょうかw

で、どうしても勝てない投資家の行きつく先は、「そうだ、裁量で判断するからこそ負けるのだ!」という事でシステムトレードに走ります。
しかし、当然ギャンブルに必勝法は存在しませんので、大数の法則に従い、多く取引すればする程限りなく控除率の分だけ損失が累積して行きます。
デイトレは仕組み上、非常に多数の回転売買になる構造になってる為、ギャンブルの必敗の法則に忠実に従うだけなのです。

個人投資家がデイトレに惹かれるのは、リスクのあるものを持ち越して夜を過ごしたくない、そして利益はすぐ確保しておきたい、その日のうちにいい気分で終えたい、始終売買していたいという心理からです。
しかしそのような心理に陥っているとすれば、その時点でもう損大利小の陥穽に嵌っているという事なのです。

業者やカリスマブロガーは、そんな個人投資家の淡い夢を承知で尤もらしく心構えやテクニックを公開してますが、本質は情弱ビジネスと一緒です。

これが業者の誰もが語りたがらないデイトレードの苦い真実です。

デイトレで生き残るには、これらの確定したハンデを乗り越える人並み外れた、超人的とも言えるような優位性が無いと無理です。
それこそポーカーのプロみたいに生まれ持ったギャンブラーの才能を有した稀有な選ばれた人のみが挑戦を許されたゲームであり、間違ってもブログやe-book上に文章として書き表せるような類のものでは有りません。

会社員の方で休みが早い方なら年末はデイトレチャンスに恵まれるかもしれませんが、デイトレ的な発想は必ず投資に悪影響を及ぼしますので、基礎の段階のうちにシャットアウトする事が大切です。

どうしてもウズってしまわれるお方はそれこそ、モニター前に「デイトレ、ダメ、ゼッタイ」と大書きした紙を貼られて、固く決心される事をおススメ致します。

きっとデイトレでの多少の損益を遥かに上回る効果がもたらされる事と信じます。

もし次回もご期待頂けましたら、いちポチッとお願いします。
  ↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村


金融・投資(全般) ブログランキングへ







お暇でしたら姉妹ブログも覗いてやって頂ければ幸甚です。
  ↓
友達0人ですが何か?
posted by 山中 一人 at 22:45 | Comment(2) | 株式投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年12月18日

内向型人間が贈る株式基礎講座(第5回)

クールに売買しよう

クールの意味は今流行りのかっこいいという方で無く、冷静にという意味です。
寧ろ冷ややかに見つめる位の態度で丁度良い位ですね。相場を相手にする時は。

基礎講座をうたうなら、一番最初にこの言葉が必要な位、相場の基本中の基本です。

過去のチャートを見ると、絶対的王者の超優良株がとんでも安値を付けてる事がよくありますね。
また時には、冷静に考えると何百年分の利益を積み重ねないと正当化出来ないようなアリエナイ素っ高値をつける株も出現します。
如何に、相場の渦中においてはパニックになる人が沢山いるかの証明です。

相場の怖い所は、人間は普段どんなにクレバーで賢い人でも、いざ自分の金がかかってくると欲と恐怖に翻弄されてトンデモ無い行動を取ってしまう事があるからです。
渦中に巻きこまれている時は頭が○○○イになってるので、後から何故自分がそんなヴァカげた行動を取ったのかさっぱり思い出せない程です。

相場は、このような人間の本質的習性が如実に現れやすいからこそ、そこに利益の源泉が眠っているとも言えます。

よくあるヴァーチャルトレードが百害あって一利無しなのは、このような心理的動揺が全く無い為、相場の練習にはなんの意味も無いからです。
寧ろ、「株なんて簡単過ぎなんですけどーw」と慢心してドカンと実弾を注ぎ込み、現実の相場がまるで想定してたものと違うと分かった頃には、もう時既に遅しのパターンに嵌るだけです。
証券会社が競ってデモトレを充実させるのは、ちゃんと理由があるのです。

それは個人投資家の為では無くて、証券会社の方に利益があるからなのです。

では具体的な対策を言います。

クールになる為に(その1)
「心理的に冷静になれないような程の金額のポジションを持つな!」
これに尽きます。(その2は有りませんw)

つまり信用取引やフルインベストメントをするなという事です。

自分がクドイ程、このブログで信用取引やフルインベストメントを否定するのは、一重にクールに売買できるようになるにはそれしか無いと思うからなのです。

因みに、「なら山中オマエは、何故専業投資家なんていう物騒なモンになってんだよw」と思われるかもしれません。

ところが不思議な事に、サラリーマンの頃より今の方が心理的動揺はあまり感じないのですね。
サラリーマンの頃は、もし株で失敗すれば一生この暗黒から抜け出せないのか・・・という思いがありましたので、絶対に失敗は許されないという緊張感が常にあり、1時間おきに株価チェックしたりしてましたねw。
今は、毎日こんなに楽させて貰ってるのでという思いがあるので、まぁ多少引かされてもあまり損した気分には陥りません。
他のアリタリヤさんはどうか分かりませんが、自分はそうですね。

結論として、人間はどんなに賢者でも恐怖に駆られると思考停止状態に陥る生き物ですので、我々凡人は自称賢者がそのレベルに落ちてくる所まで、じっと待ってから戦いを挑みましょう。という事です。

もし次回もご期待頂けましたら、いちポチッとお願いします。
  ↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村


金融・投資(全般) ブログランキングへ







お暇でしたら姉妹ブログも覗いてやって頂ければ幸甚です。
  ↓
友達0人ですが何か?
posted by 山中 一人 at 15:08 | Comment(0) | 株式投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする